いぶり文化遺産
アイヌ文化
アイヌの人たちは、北海道に先住し、 独自言語のアイヌ語をはじめ、万物に魂が宿るとされている宗教観、独特の文様による刺繍、 木彫り等の工芸など、固有の文化を発展させてきました。 祭りや家庭での行事などに踊られる「アイヌ古式舞踊」は、 国の重要無形民俗文化財に指定され、さらにユネスコ無形文化遺産※にも登録されています。
※ユネスコ無形文化遺産…有形の文化財の保護と継承を目的とする世界遺産に対し、 無形文化遺産は、民俗文化財、フォークロア、口承伝統などの無形のものを対象としています。
暮らしの中から生まれたアイヌ古式舞踊
アイヌの人たちは儀式のとき、集いのとき、仕事のときなどに歌い踊りました。踊りは、リムセ、ウポポ、ホリッパなどと呼ばれる、大きな輪になって踊るもの、神々への祈りを表したもの、豊漁猟を祈願するもの、動物の動きを表したものなど多彩なものがあり、その場にいる人たちの歌と手拍子で踊られます。アイヌの人たちにとって踊りとは、自分たちと神々が一緒になって楽しむものでした。現在では18の保護団体が国の「重要無形民俗文化財」に登録され、アイヌの主要な祭りなどで踊られているほか、かつて個人が歌っていたものが伝承され、共有の歌として歌い継がれています。
ウポポイ(民族共生象徴空間)に行ってみよう
2020年7月12日、白老町ポロト湖畔に誕生した「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は、先住民族であるアイヌの文化の復興と発展に関するナショナルセンターです。豊かな自然に囲まれた敷地内は、アイヌ文化が息づく憩いの場でもありま す。アイヌを主題とした日本初の国立博物館「国立アイヌ民族博物館」や、体験型フィールドミュージアム「国立民族共生公園」などがあり、「体験交流ホール」では、 アイヌ古式舞踊や楽器演奏など、アイヌの伝統芸能を体感することができます。
イベント・活動紹介
【カムイノミ・イチャルパ】
礼文華海浜公園キャンプ場で毎年実施していた伝統儀式の「カムイノミ」と「イチャルパ(シヌラッパ)」を、2022年5月にオープンしたアイヌ伝統的儀礼施設「イコリ」で行っています。イベントではなく儀式なので積極的なPRはしていないのですが、どなたでもご覧いただけます。ぜひ、このような機会を通してアイヌの文化や自然観に触れてみてください。
関係者からのメッセージ
名前:宇治 義之
所属:北海道豊浦アイヌ協会 会長
北海道豊浦アイヌ協会では、町内のアイヌ民族とアイヌ文化に関心を寄せる町民が、アイヌ文化の伝承と啓蒙のための活動を行っています。神への祈りの「カムイノミ」や、先祖を供養する「イチャルパ(シヌラッパ)」などは、エカシ(長老)から若者へと伝承されてきたものですが、他のアイヌ協会の儀式や資料を参考に自分たちで学びながら取り組んでいます。また、施設の「イコリ」を活用して、伝統文化や伝統食を若い世代に伝えています。
問い合わせ先
豊浦アイヌ協会事務局(豊浦町役場町民課内)
TEL:0142-83-1407
HP:chomin@town.hokkaido-toyoura.lg.jp