いぶり古代遺産
むかわ竜
むかわ町穂別の約7200万年前(白亜紀後期)の海の地層から発見されたのが植物食恐竜化石「むかわ竜」です。 全長8mの骨格のうち、8割以上という高い割合で骨が残った大型恐竜の全身骨格化石の発見は国内初であり、 海の地層から発見された恐竜の全身骨格化石も国内初です。 その後、ハドロサウルス類の新属新種と認定され、「カムイサウルス・ジャポニクス※」と命名されました。
※カムイサウルス・ジャポニクス…アイヌ語で「神」を 意味するカムイ、ラテン語で「トカゲ・竜」を意味するサウルス、ラテン語で「日本の」を意味するジャポニクスからなる学名。
2019年9月6日に出版された論文で、北海道大学総合博物館の小林 快次博士が命名。
歴史を変えた日本最大の恐竜全身骨格
むかわ竜が発掘されたむかわ町穂別は、太古は海だった場所です。恐竜は陸の生き物ですが、むかわ竜は海に流されて海底に沈み、そこで埋もれて化石になったと考えられています。クリーニングが終了し、骨の部位が確定した化石を並べるだけでおおよその姿が分かる全身の骨格化石は、まさに日本の恐竜研究の歴史に刻まれる大発見でした。口の先からしっぽの先まで全長約8m、地面から背中の上まで約3.8m、体重は約4~5.3トンと推定されるむかわ竜は、現在のところ日本最大の恐竜全身骨格化石です。
世界的な恐竜研究の進歩への期待
2003年、町内の男性が沢の崖で発見した尾椎骨が首長竜のものであると判断されました。2011年に、首長竜ではなく恐竜の化石であることが判明いたしました。2013年か ら発掘が開始された全身骨格化石は、2016年にむかわ竜と名付けられ、その後の研究で新属新種の恐竜であることがわかりました。恐竜化石の発掘は、アジアでは内陸のモンゴルが有名ですが、日本を含む当時のアジア沿岸部で発掘が進めば、恐竜研究の新たなページが開かれることとなるでしょう。
イベント・活動紹介
【化石クリーニング体験】
町内外でのイベントで、不定期に実施しています。「化石クリーニング」とは、化石を地層や岩石の中から取りだす作業のことです。ハンマーとタガネを使って疑似ノジュールの中から本物の化石を取り出します。掘り出した化石は記念に持ち帰ることができます!
関係者からのメッセージ
名前:栗原 健一
所属団体名:むかわ町恐竜ワールドセンター
むかわ町恐竜ワールドセンターでは、むかわ町穂別の化石の価値をアピールし、子どもたちの想像力や愛郷の年を育むため、町内外でのイベント企画・出展や情報発信などに取り組んでいます。私自身、以前は化石には興味がありませんでしたが、30歳で地元に戻って化石探しの楽しさを知り、2016年の立ち上げからセンターに加わって活動をしています。恐竜や化石に興味がある方、化石に携わる活動をしてみたい方は、ぜひ一緒にやりましょう!
問い合わせ先
むかわ町恐竜ワールドセンター
メール:kyouryuworldcenter@gmail.com