いぶり産業遺産
炭鉄港

「炭鉄港」とは、近代の北海道を築く基となった三都(空知・室蘭・小樽)を、石炭・鉄鋼・港湾・鉄道というテーマで結ぶことにより、人と知識の新たな動きを作り出そうとする取り組みです。その歴史を紐解くと、北海道の産業革命の物語が見えてきます。この「炭鉄港」のストーリーは、2019年5月20日に、文化庁が選定する「日本遺産」に認定されました。

※日本遺産…地域の歴史的魅力や特色を通じてわが国の文化・伝統を語るストーリーを、文化庁が「日本遺産(Japan Heritage)」として認定するもの。道内12の市町と炭鉱23、 鉄鋼5、港湾5、鉄道12の計45の文化財で構成。

北海道の発展を支えた三都の物語

北海道の近代化の契機は、1879年の官営幌内炭鉱の開鉱でした。空知の石炭を小樽港へ運ぶ幌内鉄道は、札幌の発展にも貢献しました。1892年に鉄道が延伸された室蘭は石炭積出港となり、1907年には日本製鋼所、1909年には北海道炭礦汽船輪西製鐵場(現:日本製鉄)が設立され、室蘭は鉄のまちになりました。室蘭への鉄道延伸と同時期に、今の安平町内にあった追分駅構内には「追分機関庫」が設置され、運転拠点として活用されました。空知・小樽・室蘭を結ぶ鉄道と、三都の基幹産業である石炭・港湾・鉄鋼は、北海道の急速な発展を支えた立役者でした。

炭鉄港の歴史を活かしたまちづくり

室蘭港は、最盛期には本州向け道内炭の約6割を移出しましたが、1976年に石炭積出港としての役割を終えました。また、1975年にはSLが牽引する日本語最後の定期列車として、室蘭-岩見沢間で定期旅客運行列車が、追分-夕張間で貨物列車が運行しました。そして現在、室蘭市では幻想的な「工場夜景」や国の登録有形文化財「旧室蘭駅舎」などが人気を集め、安平町では2019年に「道の駅 あびらD51ステーション」がオープンし、蒸気機関車や鉄道関連資料が展示されるなど、炭鉄港の歴史を活かしたまちづくりが進められています。

イベント・活動紹介

【炭鉄港啓発イベント】
日本遺産「炭鉄港」の啓発と認知拡大を目的に、例年「炭鉄港フォーラムin室蘭」などのイベントを開催し、炭鉄港に精通する講師を招いての講演や、日本遺産「炭鉄港」構成文化財を巡るガイド付きのまちあるきやバスツアーなどを実施しています。

関係者からのメッセージ

名前:仲嶋憲一
所属団体名:一般社団法人 室蘭観光協会

「炭鉄港」は石炭と鉄鋼・港湾・鉄道というテーマで北海道の近代化を支えた3つのエリアをつなぐストーリーです。
室蘭は空知から運ばれた石炭を積み出す港として発展し、その後近代的な製鉄業によって「てつのまち」「ものづくりのまち」として発展することになります。遠い昔のことではなく、自分たちの今の暮らしに繋がる、歴史的な地域の魅力や特色を発見できる「炭鉄港」に是非触れてみてください。

問い合わせ先

室蘭市経済部観光課
TEL:0143-25-3320
メール:kankou@city.muroran.lg.jp

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